1 特別展 詩人・一戸謙三
令和元年7月13日(土曜日)から9月23日(月曜日・祝日)
時間9時00分から17時00分(7月13日は10:00から開催)
休館:7月25日(木曜日)・8月22日(木曜日)・9月11日(水曜日)
会場:青森県近代文学館企画展示室
入場無料
詩人・一戸謙三は、1899(明治32)年、黒石町(現黒石市)に生まれました。県立弘前中学校を経て、1918(大正7)年、慶応大学医学部予科に入学、1920(大正9)年、医科本科に進みますが経済的理由から退学。その後1921(大正10)年に再び上京し、農商務省に勤務しますが、翌年帰郷します。
謙三を詩の道へと導いたのは、中学卒業後に読んだ萩原朔太郎や福士幸次郎たちによる口語詩への感動でした。幸次郎の指導のもと青森県で初めての詩の結社である「パストラル詩社」に参加し、疾風怒濤の青春を過ごした彼の詩作は、やがてヨーロッパで興ったモダニズムを吸収し、散文詩形式による、伝統とモダンが結合した斬新な傑作へと結実します。それは同時に地元詩壇のプロレタリア派との対立をうみ、やがてモダニズムにも不毛を感じた謙三がたどり着いたのが、方言詩の世界でした。さらに定型詩への模索を始める彼ですが、時代は戦争へと向い...。
生誕から120年、没後40年に当たる今年、県詩壇におけるリーダーとして長きにわたり活躍した一戸謙三の詩業を紹介します。
2 「特別展 詩人・一戸謙三」文学講座
第1回文学講座
令和元年7月28日(日曜日)13時00分から15時10分
会場:青森県総合社会教育センター2F大研修室
(青森県立図書館となり)
講演
「地方主義と方言詩 ―21世紀の津軽方言詩の可能性― 」
工藤正廣氏 (北海道大学名誉教授、北海道立文学館館長)
記録音声
「よみがえる一戸謙三の肉声―津軽方言詩「弘前(シロサギ)」ほか」
第一回の文学講座には、津軽方言詩の系譜を継ぐ詩人・工藤正廣氏をお招きしました。若き日、一戸謙三のもとを訪れてその謦咳に接した際の思い出、福士幸次郎提唱の地方主義と一戸謙三の方言詩について、さらには現代における津軽方言詩の可能性について、熱く語っていただきます。
また、ご遺族からご提供いただいた音源から、一戸謙三本人の肉声による津軽方言詩「弘前(シロサギ)」をお聞きいただきます。「何処サ行ても、/おら達ねだけア/弘前だけアえンたどごア何処ネある!」令和の世によみがえる謙三の津軽エスプリ。この貴重な機会をお見逃しなく。
工藤正廣(くどうまさひろ)氏・プロフィール
1943年黒石生まれ。北海道大学名誉教授。ロシア語・ポーランド語、20世紀ロシア詩。現在、北海道立文学館館長。訳書に、パステルナーク『ドクトル・ジヴァゴ』、『全抒情詩集』(未知谷)。津軽方言記述作品に、詩集『なつかしい終わりと始まり、ぼくの津軽方言詩』(津軽書房)、長篇『TSUGARU,物語の声、文体論レッスン』(未知谷)。最新の長篇に『アリョーシャ年代記』3部作(未知谷)など。
第2回文学講座
令和元年8月18日(日曜日)13時00分から15時00分
会場:青森県総合社会教育センター2F大研修室
(青森県立図書館となり)
講演と朗読
「詩人一戸謙三の軌跡方言詩の前後をよみとく」
講演:中嶋康博氏(詩人、岐阜女子大学職員)
朗読:大川原儀明氏(「あおもりボイスラボ」代表)・稲葉千秋氏(青森朝日放送アナウンサー)
郷土への熱烈なる愛を結晶させた方言詩で知られる一戸謙三ですが、実は、方言詩以外にも瑞々しく、知的で、多様な詩を書いていました。それらの作品は、同時代における著名な詩人たちの作品に比べても全く劣らない驚くべき高水準なものだったのです。長年にわたり「四季・コギト・詩集ホームページ」で昭和戦前期の詩人たちの業績を紹介して来られた中嶋康博氏を岐阜からお招きし、プロのアナウンサーの方に作品を朗読していただきながら、方言詩以外の謙三作品の魅力とその背景について分かりやすくお話しいただきます。
中嶋康博(なかしまやすひろ)氏・プロフィール
岐阜市出身1961年生。富山大学理学部卒。1984年上京、台東区立下町風俗資料館に勤務。詩人田中克己の晩年に師事し、第5次『四季』同人となる。1992年帰郷、岐阜女子大学奉職。図書館等に勤務しながら、田中克己ほか昭和戦前期の詩人達の業績の記録紹介につとめる。編著に『田中克己詩集』『詩作日記夜光雲』、自著『中嶋康博詩集』あり。現在「四季・コギト・詩集ホームページ」管理人(1999年~)。
大川原儀明(おおかわらよしあき)氏・プロフィール
岩手県花巻市出身。
元青森朝日放送アナウンサー、弘前、仙台支社長、報道制作局次長歴任。
現在「あおもりボイスラボ」代表。
稲葉千秋(いなばちあき)氏・プロフィール
青森市出身。
青森朝日放送アナウンサー。
現在「スーパー JチャンネルABA」のキャスターと「夢はここから生放送ハッピィ」のナレーションを担当。
文学講座の申込が不要になりました
各文学講座の申し込みが不要になりました。当日会場にお越しください。
参加は無料です。
3 「特別展 詩人・一戸謙三」日曜講座
日曜講座
令和元年9月15日(日曜日)14時00分から15時00分
一戸謙三と方言詩
伊藤文一(当館室長)
会場:青森県立図書館4F集会室
※日曜講座の申し込みは不要です。当日会場にお越しください。
参加は無料です。
4 「特別展 詩人・一戸謙三」展示解説
開催日
- 令和元年7月14日(日曜日)
- 令和元年7月21日(日曜日)
- 令和元年8月4日(日曜日)
- 令和元年8月11日(日曜日)
- 令和元年8月25日(日曜日)
- 令和元年9月1日(日曜日)
- 令和元年9月8日(日曜日)
- 令和元年9月22日(日曜日)
時間:14時00分から14時30分
会場:青森県近代文学館企画展示室
※時間までに、青森県立図書館2階・企画展示室前にお越しください。
参加は無料です。
5 「特別展 詩人・一戸謙三」図録
『特別展 詩人・一戸謙三』(価格1200円)
目次
開催に当たって 02一戸謙三の詩の魅力について
静かで豊かな時間感覚がそこにある・・・藤田晴央
04詩の産声(一八九九年から一九一九年)
06閉ざされたページ(一九二〇年から二二年)
08地方主義の旗のもとに(一九二三年から三二年)
10「イダコとタユ」─盟友齋藤吉彦との最後の一齣─・・・一戸晃
12津軽方言詩の開花(一九三三年から三七年)
14津軽方言詩論争・・・櫛引洋一
16詩の音楽性を求めて(一九三八年から五五年)
18一戸謙三のモダニズム詩──総括と転身と・・・中嶋康博
20茨の花(一九五六年から七九年)
22新しい方言詩の道をたずねて・・・工藤正廣
24一戸謙三略年譜・・・青森県近代文学館編
28母ふきに抱かれた幼い謙三1899(明治 32 )年ごろ
29遺品
30書画
31作詞・受賞
32顕彰等
協力者
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