1953年(昭和28年)から1964年(昭和39年)
画像: 青森県内の読書会の様子。1950年代と思われる。
積雪によって運行できない移動図書館に代わり、へき地の読書会に本を届けるとともに座談会方式で読書相談を行う炉辺図書館を3月まで開設。
職員は大きなリュックサックに本を詰め込み、深い雪やぶをこいで各地区を巡った。
「大体吹雪を衝いて会場に行き、吹雪をおかして帰館するのが常で最寄駅から5キロ多いところは10キロもあつた。リツクで運ばれた60冊の図書の中から.........老若男女があれ、これと選んで嬉しそうに図書を眺める姿は係員の肩のコリを吹き飛ばすに十分であつた」(「炉辺図書館の開設」『三潮』1953年3月号)
七戸町読書会は、初めて炉辺図書館を開設した時の様子を次のように記している。
「終つたのが、6時をずつと過ぎてからだと思いましたが、一度帰つた人が2、3人又夕食後にたずねて、図書館の人達が帰られるまでの短い時間をおしんで語りあいました。
『偉い』人達ばかりの形式的な集りにくらべてどれほど、この方が意義深いものであつたか......」(戸館昭吉「炉辺図書館を開設して」『三潮』1954年3月号)
この炉辺図書館は、冬期間の館外奉仕業務として1964(昭和39)年まで続けられた。