
津軽フラワーセンター
・吾が死後もかくてあるべし茫々と
つづく雪野のはての岩木嶺
浜田ちか
・水光る沼のつづきにて柔かき
赤土に咲く水芭蕉の花
藤森くに
・あるとしもなき白湯の味いとほしみ
商ひてのちの朝餉を終る
番場理喜子(允映)
・街行けど知る人もなしふるさとの
岩木堤に鳴く蝉をきく
白戸蕗花(正雄)
・わが庭の胡桃の枝に風遊ぶ
しをらたをらとたはむるるなり
平山貞之助
・北津軽晴れしむかふに権現崎は
白く光りてつづく雪原
山上和美
・あかときの雲移ろひて残雪は
むらさきに染む岩木の高峰
関喜代栄
・萬葉の歌しのばれて遠き世の
花咲く神山飽かなく歩みぬ
成田蓮治(治逸)